終日運行をしている電鉄では「迷惑行為はラッシュ時だけではない」という判断。
専用車両の導入もみられる。

これに対し「女性専用車の導入で、他の車両の混雑がひどくなった」という訴えも。
実際、専用車両を導入した神戸電鉄では、他の車両の混雑率が大幅に上がり、4両編成の電車には設置を取りやめた。
専用車両の導入で、混雑したホームをかきわけながら移動しなければならず「一方を助けるために、もう一方が犠牲になっている」との怒りも。また、これは性差別ではないかとの声もあがっている。

「横行する迷惑防止については、車内防犯カメラの設置や、駅員の増員など、お金をかければ他の解決策もあるのではないか。女性専用車は安易な手段」と、署名活動をして廃止を求めているグループもある。

ある女子高生の案として「男女乗り分け」というものがある。
女性は前方ドア、男性は後方ドアから乗車すれば、男女の接触する機会は減り、痴漢対策にもなる。不公平感もなく、合理的では?と話す。
「女性専用車両」
紫苑の個人的感想

私自身、「女性専用車」は逆差別だと思います。悪気なく乗った男性が逃げるように車両を変わる姿は気の毒でなりません。女性である私も、乗るまで女性専用車と気づかないこともありますから。

また、女性だけという空間になると、そのことによる違う「迷惑」も生まれます。資料にもあった、化粧のにおいはもちろん、キツイ香水など・・・。男性の目がなくなると、違う一面が前面にでることも多く・・・(もちろんそんな方ばかりじゃありませんが)
かといって「廃止論者」でもないのですが・・・。難しいですね。

確かに、痴漢被害というものは深刻ですし、私も学生時代の嫌な経験もあります。あのラッシュ時の体の密着した空間の中、どこからともなく迷惑な行為をされるということは本当に辛いことですから、そういう利用者の気持ちを考えてこういう制度を導入した「意欲」はとても評価できると思います。

しかし、今は男性側の「いつ痴漢に間違われるのか」という不安は、女性にはない深刻な状況だと思います。
たとえ無罪になっても、相当社会的地位にダメージがありますから。

そういう意味では、先の例にあった「男女乗り分け」はいいなぁなんて思いました。
では、実際の利用者はどう思っているのか?
女性専用車両を利用すると答えた人は65%、逆に、利用しない人の理由は「乗車位置が不便」が大半で「化粧のにおいがきつい」など女性でも敬遠する人がいた。

実施自体に賛成か反対かでは、「賛成」と答えた人が女性で82%、男性は55%。
理由としては「実際に痴漢にあって不愉快な思いをしたから」「冤罪を防げる」と歓迎する男性も多い。

車両を増やすか、減らすか、それともこのままでいいのか?では、「このままでいい」が58%と過半数。
理由として「これ以上増やすのは、男性に不公平」「家族で乗れなくなる」という意見が。

また「男の子は乗れるの?」という疑問も多く寄せられた。
JRと大阪市営地下鉄は「小学生以下なら乗車可能」、阪急や京阪などは「母親や姉など、女性同伴なら」など、各社さまざま。事前に確認するのがよさそうだ。



当初は女性を痴漢から守ろうということで始まった、女性専用車両。
しかし、いまや男性専用車両を作ってほしいという声も。きっかけは、痴漢冤罪。

今の風潮として、女性が被害を訴えると、ほぼその男性と決め付けられてしまうため、冤罪が多く起こってしまう。
そんな中、女性の「勘違い」ではなく、お金を目的に、男女がグルになって痴漢被害を訴えたケースが起こったため、男性側の不安はさらに高まり、男性専用車両の検討も視野にいれてほしいという要望が来たということだと思われる。
単に男女を区別するだけでは問題は解決しないという声もあり、結論はでないが、社会的信用を失う痴漢事件。男性側の不安も、察するに余りある。
痴漢防止の切り札として、2002年から始まったこのサービス。今や、どの電車を利用してもこのサービスを見かけるようになっている。
しかし最近は、時間枠を広げて実施する電鉄もあれば、混雑緩和を理由に減らすところもあるなど、動きもさまざま。